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今週のウミウシ
第9週 − 2004/1/26
アズキウミウシ
アズキウミウシ
学名 : Elysia japonica   Eliot, 1913

 まだ ミドリガイ の仲間を紹介してませんでしたので、今週は ゴクラクミドリガイ科(Elysiidae)の アズキウミウシ を紹介します。

 倉崎ビーチには、ゴクラクミドリガイ科 のウミウシが多数生息しています。

 今回紹介する アズキウミウシ Elysia japonica は、つい最近まで、分類が混乱していて、いろいろな学名で呼ばれていたウミウシです。

 ざっと、並べてみると・・・

 ・Elysia abei (アベミドリガイ)
 ・Elysia amakusana (アズキウミウシ)
 ・Elysia japonica (アズキウミウシ)

 と、3種類の呼び名(学名)がありました。

 この混乱した状態が、1999年に発刊された「高岡生物研究会 会報 JANOLUS 第100号 中部日本海沿岸産 アズキウミウシ及びアベミドリガイの解剖 馬場菊太郎」によって整理されました。

 JANOLUS 第100号 によると、馬場菊太郎先生は、Elysia abei , Elysia amakusana を「狭義」、Elysia japonica を「広義」と定義しました。

 このことから、広義である「Elysia japonica (アズキウミウシ)」が有効種となり、狭義の「Elysia abei (アベミドリガイ)」と「Elysia amakusana (アズキウミウシ)」は、シノニム(同物異名)と考えられます。

 なぜ、このような混乱が生じたかというと、このウミウシは外観の色彩や模様に多様なバリエーションがあるのです。

 それゆえに、別種として3種類に分類されてしまったようです。

 今回、このページで紹介する個体も模様と色彩に変わった特徴があります。

 写真の個体を見ていただくと多数の黄色い斑点模様が確認できると思います。この黄色い模様が独特なのです。

 この黄色い斑点模様を持つ個体は、当初、日本海の富山湾や越前から多く確認されました。

 その後、友人や私自身が奄美大島の倉崎ビーチからも記録したことにより、分布がかなり広くなりました。

 これは、日本近海の生物の分布方法から考えると、おそらく黒潮による分布と思われます。
奄美大島の東シナ海側を通る黒潮が途中で分離し、分流となった対馬海流(暖流)が日本海に流れ込んでいることを考えると分布がつながります。

 日本海の越前では奄美大島の個体にそっくりな個体と、体色や模様の雰囲気が異なる個体など複数のバリエーションを確認しています。

 これら、奄美大島の個体と異なる個体がどのようにして日本海で発生したのかは、まだわかりません。もしかしたら、奄美大島にも同じような個体がいるかもしれません。
今後も奄美大島の多くの個体を調査すれば、なにかわかるかもしれませんね。

 今回は長くて難しい内容になってしまいましたが、このウミウシを語るうえでは避けて通れないことなので、思う存分書かせていただきました。

 もし、みなさんも、このページの写真に似たウミウシを奄美大島で見付けたら、黄色い点の有無など注意して観察してみてくださいね。

アズキウミウシ
 では、また来週〜

撮影日:2003年05月23日
場所:奄美大島  倉崎ビーチ
体長:約 5 mm
水深:5 
水温:24 
目   :嚢舌目 SACOGLOSSA
亜目:亜目なし 
科   :ゴクラクミドリガイ科 Elysiidae
学名をカナで読むと:エリシア ジャポニカ

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