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今週のウミウシ
第2週 − 2003/12/08
カノコウロコウミウシ
カノコウロコウミウシ
学名 : Cyerce kikutarobabai   Hamatani, 1976

 前回は貝殻を背負ったウミウシらしからぬウミウシを紹介しましたが、第2週は貝殻を持っていないウミウシらしいウミウシを紹介しますね。

 え?ウミウシらしくないって?・・・あぁ〜そうですね。
よく親戚などに「ウミウシって知ってる?」と聞くと、「刺激を与えると紫色の汁を出すあれでしょ」と返事が返ってきます。
そう、潮溜まりなどでよく見かける「アメフラシ」もウミウシの仲間です。

 今回紹介する背中になにやら沢山付いているこの生物もウミウシの仲間なのです。

 背中に付いているものは「ミノ」とか「背面突起」、「鰓突起」などと呼ばれています。
種類にもよりますが、このミノに部分には外的から身を守るための武器を蓄えたり、ガス交換して呼吸をしていたりします(この辺の話はまた別の週でしますね)。

 このカノコウロコウミウシの場合、擬態にもこのミノが一役買っているのではないかと私は思っています。

 下の写真を見てください。
カノコウロコウミウシの正面からの写真なのですが、風船のように膨らんだミノが海底に生息しているホヤの仲間のように見えませんか?

 また、このウミウシは移動しているときこそ、ウミウシのような姿をしていますが、動かないでじっとしている時は体を縮ませてミノの部分だけ大きく膨らませているときがあります。
その姿はやはりホヤの仲間のようです。
ホヤに擬態したから安全かどうかは、ホヤのことをもっとよく調べなければわかりませんが・・・

 5mm〜10mm前後のとても小さなウミウシですので簡単には見付かりませんが、水深6m〜1mの範囲で、岩の上をじっくり探すと見付かるかもしれません。
時期的には初春から初夏にかけてが多いようです。

カノコウロコウミウシ

 ここで、ちょっとだけ「学名」に関するお話です。

 「カノコウロコウミウシ」の学名は「Cyerce kikutarobabai 」です。

 Cyerce というのは属の名称で、kikutarobabai というのが属に対する種を表す名称、種小名です。

 この学名はラテン語表記なのですが、そのままローマ字読みしてみると「キクタローババイ」と読めますよね。

 これはこのウミウシを新種記載する際に記載者の濱谷先生(Hamatani, 1976)が、このウミウシの研究に貢献された、馬場 菊太郎先生に敬意を示し付けた学名なのです。

 このような名称のつけ方は、一般的に献名と呼ばれていて、種小名の最後に付いている「i」は、献名であるとこを示しています。

 意味がわかると、学名も面白いですよね。

 では、また来週〜

撮影日:2003年03月15日
場所:奄美大島  倉崎ビーチ
体長:約 10 mm
水深:5 
水温:20 
目   :嚢舌目 SACOGLOSSA
亜目:亜目なし 
科   :カンランウミウシ科 Caliphyllidae
学名をカナで読むと:キュエルケ キクタロウババイ

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